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Which do you like if sweet?

早いものでもうホワイトデーですよ。えぇ、いつもの如くちょっと過ぎましたが。

今回は、
戦国BASARA 信長×濃姫 長政×お市 利家×まつ
の既婚者組です。誰か長政→利家、利家→長政の呼称を教えてください。

現パロっぽい何かですがバレンタインの設定(信長×久秀)とは違うものとしてお考え下さい。
 


********
チョコレートやクッキーなどのショーケースに群がるのは、女性ばかりとは限らない。
3月14日、デパ地下。
現在ここには、一ヶ月前の祭典のお返しに頭を悩ませる、駆け込み組の男性たちが集っている。
「ホワイトデーフェア」の幟の下、悩める男が、ここにも一人。
「うぅ・・・困ったぞ・・・」
彼―前田利家は、愛する妻、まつへのお返しのため、かれこれ1時間は悩み続けている。
というのも、まつの好みがさっぱり分からないのである。
むろん、彼なりの努力はした。今朝も
「まつ、まつは何か欲しいものはあるか?」
と聞いてはみたのだが、にっこり笑って
「まつめは犬千代さまがいてくだされば何もいりませぬ」
と返されてしまったのだった。
菓子なら喜んでくれるだろう、と買いに来たものの、種類が豊富すぎて何が好きか見当もつかない。
キャンディ、クッキー、マシュマロ。
果たして正解はどれだろうか。
「「うーーーん」」
再び唸り声を上げて、その声が微妙にハモったことに気づく。
顔を上げれば、自分と同じように悩み続ける、見知った男。
「・・・・・な、長政?」
「ぬぁっ!?」
声を掛けると文字通り飛び上がった。
「なっっ、きさっっ、まっっ」
「なんだ、貴殿もお市様にお返しを買いに」
「っ無駄口は削除だ!!!」
素直じゃないなぁ、と思ったが口には出さないことにした。
似たような反応をする人間をもう一人知っているからだ。
「・・・是非もなし」
「「あ」」
「む」
「信長様!」「義兄上!?」
これが俗に言う『噂をすれば影』か、と妙に感心した利家だった。

***
「長政ー、これなんかどうだ?」
「キャンディ・・・兄者、如何でしょうか」
「うむ。・・・利家」
「マシュマロ?」
「この形・・・兎か?」
「動物ですか!これならまつも喜んでくれます信長様!!」
三人寄れば文殊の知恵、といわんばかりにショーケースを覗き込んで品定め。
それぞれが戦利品を手に帰路に着いた頃には閉店も間近であった。

***
「まつー!今帰ったぞ!!」
「お帰りなさいませ、犬千代さま」
いつものように玄関で待っていたまつに、利家は紙袋を手渡した。
「この前のお返しだ。いつもありがとう、まつ」
「まぁ・・・開けてもよろしいですか?」
「もちろんだ!」
包みの中から出てきたのは、うさぎの形のマシュマロだった。
「これは・・・何と可愛らしい・・・」
「店で偶然信長様と長政に会ってな。三人で選んだのだ」
「犬千代さま、ありがとうございます。後で二人で食べましょうね」
「某も食べていいのか!?」
「えぇ。二人で食べた方が一層おいしくなりますわ」
まずは夕餉に致しましょうね、と言い置いてまつは台所に向かった。
喜んでくれてよかった。二人はどうだったのだろうか。
幸福感に包まれながら、利家はそんなことを考えていた。

***
同じ頃、浅井家では。
「・・・なんということだ・・・」
長政が渡すタイミングを完全に逃していた。
帰宅時に素直に渡せばよかったのだ。
(まさか、家の外まで出ていたとは・・・)
帰りの遅い長政を心配してなのか、いつも中にいるはずの市が玄関の外で待っていたのだ。
分かっているのだ、それなのに。
『市、何をしている!』
『あ、長政さま・・・』
『遅くに外へ出るなとあれほど言ったではないか!!』
『・・・ご、ごめんなさい・・・』
言い過ぎた。
どう考えても言い過ぎた。
風邪を引いたら、とか暴漢に襲われでもしたら、などという思いが先走ってつい強く言い過ぎてしまった。
(謝らなければ・・・)
誤解を放置する、即ち悪である。
長政は意を決して自室から市のいる居間へと向かった。

電気もつけずにうつむいている市に、できるだけ優しい声音で声を掛ける。
「・・・市」
「・・・ながまささま・・・」
泣いていたのか、目が赤い。
めそめそと泣くな、と言いかけて、そうさせたのが自分であることに気づき言葉を飲み込む。
沈黙。
静寂を好む長政も、この沈黙には耐えかねる。
とはいっても、こんなときに掛ける気の利いた台詞を持ち合わせていないのもまた事実。
結局、言葉の代わりに行動で示すことにした。
ぐい、と目の前に袋を差し出す。
「?」
「バレンタインの礼だ。受け取れ」
「・・・くれるの・・・?市に?」
「他に誰がいるっ、早く受け取れ!!」
差し出された袋を両手で持ち、市が尋ねる。
「長政さま、開けてもいい?」
無言で頷く長政。かさかさ、という音の後で姿を現したのは瓶に詰められた色とりどりのキャンディーだった。
「・・・きれい・・・」
「そっ、それは利家と兄者が」
「ありがとう・・・市、すごくうれしい・・・」
「~~~~っ!!」
「大事に・・・食べるね・・・」
「し、賞味期限は守るのだぞ!残すのは悪だ!!」

***
深夜、織田家。
信長の秘書を勤めている濃姫であるが、この日は夕方から別行動をとっていた。
帰宅してすぐに、居間においてある紙袋に気づいた。
「何かしら・・・?」
見れば、表に「濃へ」と書かれた小さな封筒が添えられている。
中にはたった一言、
「是非もなし」
の五文字。
袋の中身は缶入りのクッキー。
たったそれだけの返礼であるのに、濃姫は心底うれしそうだった。
彼女は知っているのだ。
手紙に隠された意味。
直接顔を合わせて渡すことがどうしてもできなかった彼の性格。
昔好きだと言った銘柄を覚えていてくれたこと。
そして、おそらく今ドアの向こうで待っていること。
贈り物と手紙を大事そうに抱えて、濃姫はドアに向かって声を掛けた。
「ありがとうございます、上総之介様」

「・・・是非もなし」


********
あまーーーい!!
ホワイトデーのプレゼントには本命・義理・友情の区別があるといいますが。
そこまで気を回す余裕のない男性陣。
ツンデレ義兄弟+わんこのBASARA妻帯者が大好きです。
ちなみに、タイトルの意味=「甘いものならどれが好き?」のヤホー翻訳。
文法おかしくっても気にしないで!!

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好物はマイナーキャラとおっさん、髭。
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