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聖なる夜に祝福を。(閲覧注意)
メリークリスマス。イブは過ぎましたけどね!!(ちょ
クリスマス熱に便乗して書いていたら酷い事に。

一応閲覧注意。そしてやっぱり信長×久秀。
今回はモブもちょっと出張ります。

以上がOKな方は下からどうぞ。

********
師走も半ばを過ぎ、新年の準備を始める頃。
久秀が休暇を申請した。
「何、二日で構わない。休みをいただきたいのだが?」
「・・・わざわざこの忙しい時期に、ですか・・・?」
訝しげに長秀が問いかける。年末は溜まりに溜まった事務仕事を全て片付けなくてはならない。
貴重な戦力である久秀はできることなら逃がしたくはない。
「なんだよー、平茸のくせに生意気だぞー!!」
「おやおや、新参者の分際で休みを取ろうとはいい根性ですねぇ・・・」
「・・・私が城攻めを行っているときに仲違いで大幅に遅参したのはどこの誰だったかね?」
「あ・・・あれは全部変態が悪いんだからな!!」
「都合の悪いことは全部私のせいですか・・・全く子供ですねぇ・・・」
「なんだとー!?」
「もう、やめなさい二人とも!・・・上総介様、いかがいたしますか?」
「フン・・・好きにせい」
さして興味もなさそうに信長が答えた。そしてふと思いついたように付け加える。
「旅行か?」
「二日でどこへ行くというのかね?家でゆっくりさせていただくよ」

***

そして、久秀が休暇を取った当日。
「松永殿が休暇を?」
「えぇ・・・おかげで仕事がはかどらなくてね・・・あ、柴田殿次はこちらをお願いします」
「何だかんだで仕事はするあの人が珍しいな。病気療養か?二日では旅にも出られぬだろうし・・・」
「一益殿」
「ん?」
「考えるのは構いませんが手は動かしていただきたい」
「・・・すまない」
「やれやれ・・・久秀殿、帰ってきたら覚悟してくださいね・・・?」
「(長秀・・・目が笑ってないぞ・・・)」

***

所変わって、久秀の屋敷。
「・・・雪、か。どうりで冷えるはずだ」
収集した茶器の手入れに勤しみながら、主が久方ぶりの休暇を満喫していた。
「それにしても・・・何故この時期に休みを?」
問いかけたのは配下の三好三人衆である。
「・・・いたのかお前たち」
「いましたよ!」
「我等がこの茶器を運び込んだのでしょうが!」
「いりませんよそんな小ボケ!」
「で、質問は何だったかな?」
「わざわざこの時期に休みを取った理由です」
「・・・まさか嫌がらせですか?」
「私を何だと思っているのかね。・・・なに、今日はクリスマスだからな」
「栗・・・何ですか?」
「クリスマスだ。耶蘇の祭で南蛮ではこの日は全ての仕事が休みになるのだよ」
「はぁ」
「私は耶蘇教徒ではないがね。たまにはこういう趣向もよかろう?」
「つまり特に理由なく休暇をとったという訳か」
「まあそうなるかな・・・ん?」
「・・・久秀様」
「大殿がお見えです・・・」
「!!!?」
見るといつの間に入ってきたのか、信長が茶をすすっていた。
「なっ・・・どこから入って来たのかね!?」
「表も裏も閉まっていたのでな。庭から入った」
「閉まっている時点で進入を諦めないかね普通」
「たわけ。それでは城攻めができぬわ」
「・・・で?何か用かね?」
私は休暇中なのだが、と言いながら久秀が尋ねる。なにしろ信長の訪問でろくな目に遭ったことがない。
できることなら一刻も早くお帰り願いたい所である。
「南蛮人から良い物を手に入れた」
そういって信長が取り出したのは、暗赤色の液体の入った瓶だった。
「ほぅ・・・葡萄酒のようだが?」
「知らぬ。だが、今日はこれを飲む日だと言っておった」
「・・・このためにわざわざ訪ねて来たのか?」
「他に何がある」
さも当然だといわんばかりの表情で信長が答える。
「全く、卿の気まぐれに付き合わされる身にもなってくれたまえ。・・・瑠璃の杯がある。猪口よりこちらのほうがいいだろう?」

***

「・・・渋い」
「他に言うことはないのかね」
杯に酒を満たし、差し向かいで酌み交わす。
どうやら信長のお気には召さなかったようで、ほんのわずか舐めただけで顔を顰めて杯を置いてしまった。
「これは中々良い酒だぞ?」
そう言って杯を干す。酌など期待していないので早々に手酌である。
「ところで政務はどうしたのかね」
「・・・是非もなし」
「(逃げ出したな)」
そういったたわいもない会話を交わし、瓶の中身が半分ほどになった頃。
それは突然訪れた。
「・・・・・?」
ふわり、と浮遊感に包まれる。酒の強さには自信があるほうだが少々飲み過ぎただろうか。
そう思った次の瞬間。全身から一気に力が抜けた。
「!?」
からり、と手から杯が滑り落ち、畳に赤い液体が広がる。
「っは・・・!」
手を突こうにも体が言うことを利かない。そのまま崩れ落ちるようにうずくまると、頭上から声が降ってきた。
「半分でやっとか・・・思ったより効果が薄いな」
動かぬ顔を必死に上げると、実に愉しそうな顔で信長が笑っていた。
髪を掴まれ、乱暴に持ち上げられる。
「余が只で貴様の元に来ると思ったか?」
に、と笑って噛み付くように口付けてくる。
「ふ、う・・・」
声を噛み殺す事さえ儘ならない。触れられた所から熱が広がっていく。
完全に抵抗を諦めた戦利品を担ぎ上げ、魔王は次の間へと姿を消した。

********
とうとう一服盛りやがった!!(笑)
前から一回やってみたかったんですよこういうの。
その割りにたいしてやることやってませんが。
そろそろ無双もやろうかな。

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